
現役のwebデザイナー、コーダーとして、現場レベルでのAI活用における、あくまで現時点での所感を置いておく。
本記事の執筆・校正において、AIツールの類は一切使用していない。
私原田の考えをそのままぶちま…言語化したものである。
現在アスタワークスでも、ホームページ制作やその他のクリエイティブ制作において、AIツールを利用している。
活用度合いでいえばそのポテンシャルの1割にも満たないんだろうなというところではあるが、自分の能力のキャパシティーの範囲内での限定的な活用に留めている面もある。(自分で把握・修正・改善が可能な範囲)
ClaudeやGemini(Nano Banana)などを中心に、CursorやAdobe Firefly、Photoshop、Figmaなど日ごろから使う制作ツールの中で、ディレクションやデザイン、コーディングに部分的に活用し、効率化や品質アップに役立てることが出来ている。
AIツールの登場以前と以降では、たしかにゲームチェンジの時期がきたなといえるだけの変化も感じる。
しかしながら、SNSでよく見かける「一瞬でこんなサイトができた、もうデザイナー、コーダーいらんやん」の論調には、現場のプロ目線で一石を投じたい。
たしかにそういった投稿を見て、おお、すごいなと思う部分はある一方で、「で?」となることも多い。
AIで一瞬でできるという点は評価できる(本当に一瞬でできたのかという点は置いておくとして)が、この程度のものでいいならGoogleマイビジネスでも素人が簡単にホームページを持てたし、ある程度パソコンが触れて「こうしたい」という考えがある人なら、Wixや Studioといったノーコードツールでもよかった。これまであったものと大きな差はない。
また、「こんなのが一瞬できた!」という声はSNSでよく発信されているが、これでアクセス数や集客がアップした!売り上げに貢献した!といった、”実際に成果に繋がった”事例報告はまだとんと見かけない。
一見よさげに見えるけど、実はめちゃくちゃテンプレぽかったり、内容もよくある型をなぞっていて、訴求力が全くない、見た目だけいい感じ、それなりなものばかりな印象だ。
クライアントのビジネス課題を解決するための「戦略的意図」を持たせるには、依然として人間のディレクションが不可欠であるという事実を浮き彫りにしている。
工数をかけずにサクッとアップし、PDCAを高速で回すという風な使い道ならありか?という風にも考えてみたが、分析と改善の部分がうまく機能しなければ、ただ高速でゴミを生み出し、ただ高速でゴミを捨てていってるに過ぎない。
ふりかえったとき、そこにはゴミが落ちているばかりで、未来へつながる足跡として残らない。
使い方次第では、一流のデザイナーとして、またエンジニアとして、非常にクオリティの高いサイトをAIによって生み出すことは不可能ではないのだろうが、プロンプトの出し方やツールをまたぐ知識、そもそものディレクション能力(どう作るべきか、掲載する内容はどうあるべきか)がかなり必要な印象だ。結局AIを使う人間の能力によって大きく左右される。
また、セキュリティリスクや権利問題について無知覚なまま、SNSに蔓延るなんちゃってマーケターや似非コンサル、情報商材屋といった輩のすすめるまま、AIで生成したクリエイティブを安易に事業に用いるのも危険だ。
作業の自動化系の話においても、外部の情報へのアクセスを伴う、PC操作に関わる作業の自動化などは危険だ。AIがどんなフローで情報を取得してきて、PCの中でどんな処理をしているのかすべて把握できない中で不用意にやるべきではない。
あなたにそれを進めた第三者や、ましてAIは責任をとらない。
なにかあったときに対処したり(なんにも分からない中で)、責任を負うのはあなただ。
少し本筋からそれてしまったが、デザイナー・コーダー不要論には一石を投じたいとは言ったものの、では我々はいままでのやり方でこの先もメシを喰えるのか?という観点で見ると、まったくそんなことはないだろう。
クライアントにおいては、チラシやバナー、SNS投稿などのクリエイティブや文言の作成において、AIツールは、外注コストを削減するのに大いに役立つだろう。
これまでは費用面が合わず、泣く泣く実施を見送った施策・企画もあるだろう。
それを自社でどんどんやっていけるのは間違いなく喜ばしい事だ。
つまりこういった”AIで使い捨てでサクッと作れてすぐに使う”ようなものにおいてのプロの介在価値はすでにかなり薄れているように思う。
また、コンサルやマーケター、ディレクター、デザイナー、コーダー、これまで分業化されそれぞれがエキスパートとして業務にあたってきたような、上流~下流と表現されることも多いこの一連の流れは、その職種間のグラデーション部分が今後どんどん一色に統一化されていくと思う。
AIによって作業コストが極限まで下がることで、領域を跨いだ「統合的なスキル」が標準装備になると予測できる。
AI活用の波は今後も加速度的に押し寄せる。
デザインやコーディングのできないコンサル、マーケター、ディレクターは不要になる。
コンサル、マーケティング、ディレクションができないデザイナー、コーダーは不要になる。
AIが短時間で生成する成果物に劣る成果物しか提供できないWeb屋は不要になる。
これが2026年3月現時点の私の個人的な見解である。








